こんにちは
今日は、歯の変色のひとつ、テトラサイクリン歯についてご紹介します
テトラサイクリンというのは、抗生物質のひとつです。
この薬は、マラリアやレジオネラ感染症、マイコプラズマ感染症、ニキビ、梅毒などの治療に使われます。
基本的に、妊婦や授乳中、8歳以下の小児には禁忌(投薬してはいけない)指定されています。
ただし、重症の感染症でテトラサイクリンが最も有効であると判断された場合、投薬されることがあります。
なぜ禁忌指定されているかというと、骨や歯に色素沈着を引き起こすからです。
母親のお腹の中にいる胎児のときから、歯は作られています。
永久歯の歯冠(歯茎より上に生える歯の部分)が完成するのは約8歳までです。(親知らずはもっとかかります)
歯が作られている最中にテトラサイクリンが体内に取り込まれると、その時期に作られた歯の表面にバンド状に黄色~褐色の変色が現れるのです。
例えば上の写真の場合、上の一番前の歯2本は、歯の根元に近いあたりに広く変色が見られます。
上の一番前の歯は、歯の石灰化の開始が生後3~4か月から始まり、4~5歳で歯冠(歯茎より上に生える歯の部分)が完成します。
つまり、大体3歳~5歳くらいまでの間に長期間テトラサイクリンを使用したことになります。(正確に時期を特定するのは難しいですが)
昔はテトラサイクリンのこの副作用は周知されていなかったのか、または軽視されていたのか、このような変色はよくあったようです。
ですが、今ではホワイトニングが普及し、技術も向上してきました。
以前は難しいとされていたテトラサイクリン歯も、歯を削らずにホワイトニングだけで、ある程度の色の改善が望めるようになりました
個人差もありますし、完全に変色を取り除くのは難しいですが、試してみる価値はあると思います