こんにちは
今日は中心結節の破折についてお話します
中心結節というのは、歯の噛み合う面の中心にある異常な出っ張りのことです。
特に、前から数えて5番目の下の歯によくできます。
この異常な出っ張り(結節)は上と下の歯が噛み合うことによって、よく破折したり、擦り減ったりします。
すると、この結節の中にある神経がむき出しになり、損傷をうけて、死んでしまいます。
神経が死んでしまうと、根の先の骨の中にも病気が広がり、歯肉が腫れて、膿の出口ができることがあります。
膿の出口に細長い根治療剤を入れているところ
ここで問題なのが、中心結節の破折は歯がきちんと噛み合い始める時期に起こりやすいので、10歳頃の子供に多いのです。
子供の永久歯は、頭は出ていても、根っこはまだ完成していません。
根がほとんど成長していない歯に根の治療をすると、その先根の成長が止まり、歯が噛み合わせの力に耐えられずに脱落してしまう危険があるのです。
上は幼若な永久歯のエックス線写真ですが、根がまだできていないことがわかります。
周りの骨が黒く写っているのは、そこに膿の袋ができてしまっていることを表します。
この症例では根の成長を期待し、すぐには治療せず、経過観察しています。
上は初診から約半年経過後の写真です。
少し中から吸収されているものの、根の成長が認められます。
1年2カ月後、さらに根は成長しています。
初診から1年半後に痛みが出たため、根の治療を開始。
治療後。経過は良好です。
以上のように、むし歯でなくても歯の神経が死に、治療が必要になってくるケースがあります。
永久歯に生えかわっている時期のお子さんがいる方は、ぜひ歯の形にも注意してみてください
中心結節の場合、破折の予防策として結節の根元をプラスチック材料で補強することもできます。
早期の対応が歯を救うことにつながりますので、日ごろから口の中をチェックしてみてくださいね